6月最初のアレルギー教室は食物アレルギーをとりあげた。
1、《食物アレルギーの頻度》
2、《症状》
3、《主なアレルゲン》
4、《食物アレルギーの診断》
5、《除去食などはいつまで続けるのか》
1、《食物アレルギーの頻度》
食物アレルギー児の頻度は乳児が最も高く、以降年齢と共に急速に低下する。自然治癒傾向が強いことを示している。
2、《症状》
軽いものでは蕁麻疹が数個、あるいは唇が腫れる。重いと広範囲の蕁麻疹、突然の嘔吐や下痢、喘息様の呼吸困難などをきたす。
最も重篤なものはアナフィラキシー・ショックと言われるもので、ぐったりとして意識が低下し、顔面は蒼白となる。血圧が低下しており、直ちに治療を行わないと死亡することもある。
3、《主なアレルゲン》
これまで三大アレルゲンは鶏卵と牛乳、大豆といわれてきた。最近は大豆にかわり、小麦が第3位にあがってきた。
0歳児では鶏卵が大半を占め、牛乳と小麦を加えると90%近くになる。7〜19歳では鶏卵が最も頻度が高いがその比重は小さくなる。成長につれ、鶏卵や牛乳に対するアレルギーは次第に軽くなり、治っていくことを示している。
7−19歳の年齢になるとソバやエビに対するアレルギーが増える。これらのアレルギーは成長後も長く続く。
4、《食物アレルギーの診断》
IgE-RASTという検査法で原因食品に対するIgE抗体があるかどうかを調べる。 検査が陽性でも食べられる場合がある。不要な食物制限を避けるため、最終的には食物負荷試験で確認することが大切。卵白に対するIgE抗体が陽性でも、加熱鶏卵が食べられる、すなわち負荷試験陰性の人が少なくない。
5、《除去食などはいつまで続けるのか》
• 卵や牛乳にアレルギーがあると診断された乳児のうち、3歳までに3人に2人が、12歳までに10人に9人がよくなる。
• 成長するに従って良くなっていく。
• アレルギーの症状を見ながら、状態がいいときに、除去食をゆっくり解除していくのが一般的。